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2005年10月8日(土)
サミー・ネスティコ特別クリニック
旭川市大雪クリスタルホール大会議室 午前10:00〜12:00

 やや小雨交じりの空模様。ジュニア・ジャズオーケストラ(JJO)、ハイスクールメンバーに対するサミー・ネスティコ氏の特別クリニックの日である。朝10:00からということもあるが子供達の表情が眠たそうである。それより私の一番の心配は、ネスティコ氏の体調である。10月6日に日本に着いてから3日目。疲れが一番出そうな時であるが、私達の心配をよそに、むしろネスティコ氏の方が元気そうである。
 まずジュニア・ジャズオーケストラの演奏で「FRONT BURNER」。これは氏から直接送っていただいた、カウント・ベイシーの名演で名高い曲である。JJOの演奏は昨年IAJE国際大会(ニューヨーク)で聞いていただいているので、ネスティコ氏もスムーズにメンバーにとけ込みながらクリニックが開始される。演奏終了後、満面の笑みをたたえながら、少しフレーズの修正をして、あとは直すところがないとのこと。ネスティコ氏の伝えたかった事は「ジャズ音楽のエネルギーを失わないこと」これに尽きる。指導というととかく細かいところに目がいきがちであるが、全体があっての部分である。この事をJJOのメンバー全員に伝えようとしていたことがとても印象的である。
 後半はハイスクールメンバーに対してのクリニックである。このメンバーはJJO OBが中心で、長いメンバーだと、もうかれこれ7年ジャズ音楽に親しんでいる者もいる。演奏するのは「WARM BREEZE」。プロでも難曲とされる曲で、長く複雑なサックスソリがある。演奏を聴いたネスティコ氏はとても嬉しそうである。JJOの子供達の新鮮な演奏とまた違って、プロレベルの演奏を診るのはネスティコ氏の得意分野(領域)だからである。フレージングの解釈、ダイナミックの付け方、楽器間の関係の作り方、どれも作曲者本人からのアドバイスなので、とても適切である。しかし、細かいところだけではなく、最も大切な「ジャズ音楽のエネルギーを失わないこと」この事を強調しクリニックは終了した。
 ネスティコ氏曰く「この様に技術を持ち、ジャズのエネルギーを理解しているグループは、米国でも数少ない」。ジャズ音楽の素地がない旭川で、音楽の可能性を見出すために始めたジュニアジャズの活動であるが、ジャズの聖典(バイブル)と言われるサミー・ネスティコ氏からその言葉を聞き、全てが報われた気がする。(Yoshio Sasaki)

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サミ−・ネスティコ特別クリニック 細やかなニュアンスを伝える通訳
ソロパートの指導も実施
OKサインを出すネスティコ氏


Creative Concert Vol.8 Chick Corea Solo Piano'06 JMIA 2006


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